競馬予想の記録方法と的中率・回収率を検証する7つの項目

競馬予想の記録方法|的中率・回収率を正しく検証する7つの項目

競馬予想の記録を残していますか?

的中した馬券は覚えているのに、外れた馬券は忘れてしまう。そんな経験はないでしょうか。

実は、私たちが思っている以上に、人間の記憶は都合よくできています。

例えば、10レース予想して3レース的中した場合、印象に残るのは高配当を当てたレースかもしれません。しかし、投資として競馬を考えるなら、残り7レースの結果も同じように重要です。

さらに問題なのは、レース前に予想した内容と、レース後に振り返った内容が混ざってしまうことです。

これでは、本当に予想が上達しているのか、単に偶然当たっただけなのか判断できません。

そこで今回は、競馬予想の記録方法を詳しく解説します。単なる収支管理ではなく、的中率・回収率・予想精度を正しく検証するための実践的な方法です。

この記事の結論

競馬予想の実力を測るには、①レース前の予想、②実際の購入内容、③確定した結果を分けて記録することが重要です。さらに、的中した馬だけでなく、不的中や見送った予想も残すことで、初めて客観的な検証が可能になります。

競馬予想を記録しないと、本当の実力が分からない

まず考えていただきたいのが、競馬予想と株式投資の共通点です。

株式投資では、購入価格や売却価格、損益を記録することで運用成績を把握します。一方、競馬では的中した記憶だけを頼りに、自分の予想が優秀だと思い込んでしまうことがあります。

もちろん、的中したときの喜びは競馬の醍醐味です。しかし、それだけでは収益性を評価できません。

例えば、次のような2人を考えてみましょう。

比較項目AさんBさん
購入回数100回100回
的中回数60回25回
購入総額10万円10万円
払戻総額8万円11万円
回収率80%110%

※説明用に作成した架空の成績です。実際の競馬予想やバックテストの結果ではありません。

Aさんは60回も当てています。一方、Bさんは25回しか的中していません。

ところが、最終的に利益を出しているのはBさんです。

つまり、的中率だけを記録していても、予想方法の収益性は分からないのです。

的中率と回収率の違いについては、競馬の的中率と回収率の違いを解説した記事でも詳しく紹介しています。

予想の的中率と馬券の的中率は分けて考える

ここで、もう一つ重要な違いがあります。

それは、予想が当たったことと、実際に馬券で利益を得たことは別だという点です。

例えば、ある日の競馬で10レースを予想したとしましょう。そのうち3レースが的中した場合、予想の的中率は30%です。

しかし、実際に馬券を購入したのが5レースだけだった場合はどうでしょうか。

購入した5レースのうち2レースが的中していれば、購入馬券の的中率は40%となります。

このように、予想と購入では分母が異なります。

さらに、的中した馬券のオッズによって回収率も変わります。

したがって、私は次の3つを区別することが重要だと考えています。

  • 予想的中率:事前に記録した予想が、どれくらい的中したか。
  • 購入馬券の的中率:実際に購入した馬券が、どれくらい的中したか。
  • 実購入回収率:実際の購入金額に対し、払戻金がどれくらい戻ったか。

なお、予想的中率を比較するときは、券種や的中条件を統一する必要があります。単勝予想と複勝予想を無条件に合算しても、正しい比較にはなりません。

競馬予想の記録で残すべき7つの項目

それでは、具体的に何を記録すればよいのでしょうか。

私は、最低限次の7項目を残すことをおすすめします。

項目記録する内容目的
①予想日時予想を確定した日時事後変更を防ぐ
②レース情報開催日・競馬場・レース番号対象を特定する
③予想内容馬名・券種・買い目予想の的中判定
④予想根拠能力・馬場・血統・展開など判断理由を検証
⑤オッズ評価予想時のオッズ・購入条件価格判断を検証
⑥購入内容購入の有無・実購入金額実損益を計算
⑦確定結果着順・的中判定・払戻金成績を集計する

予想日時は必ず残す

特に重要なのが、予想を確定した日時です。

なぜなら、レース結果を知った後でも、過去の予想内容を書き換えられてしまうからです。

例えば、発走前には本命をA馬としていたのに、結果を見た後でB馬に変更したとしましょう。

これでは、予想の的中率を正しく計算できません。

そのため、予想時点の内容を保存し、後から変更した場合は変更履歴を別に残す必要があります。

予想根拠も記録する

次に残しておきたいのが、馬を選んだ理由です。

単に「A馬を本命にした」と記録するだけでは、なぜその馬を評価したのか分かりません。

そこで、過去成績、距離適性、血統、馬場状態、展開予測などの判断材料を簡潔に残します。

例えば、同じ不的中でも、予想した展開が完全に外れた場合と、展開は予想どおりだったのに敗れた場合では、改善すべき点が異なります。

こうした違いを後から分析できることが、記録を残す大きなメリットです。

予想・購入・結果は3種類の記録に分ける

ここからは、少し実践的な話をします。

競馬予想を継続的に検証するなら、私は記録を3つに分ける方法が合理的だと考えています。

①予想ログ|レース前に確定した内容

まず、予想した内容を保存します。

具体的には、対象レース、予想馬、券種、予想根拠、推定勝率、オッズ条件などです。

また、購入を見送ったレースも記録します。そうすることで、結果の良かった予想だけが残ることを防げます。

なお、すべてのレースを予想する必要はありません。ただし、事前に「どのレースを予想対象にするか」を決め、対象となった予想は結果に関係なく保存するべきです。

②購入ログ|実際に購入した馬券

続いて、実際の馬券購入を記録します。

ここには、購入日時、券種、買い目、購入金額を残します。

さらに、購入判断時点で確認したオッズも記録しておくと、価格判断を振り返る際に役立ちます。

ただし、JRAの馬券は購入後もオッズが変動します。したがって、購入時に確認したオッズと、最終的な払戻倍率は区別しなければなりません。

③結果ログ|確定した着順と払戻金

最後に、公式結果に基づいて着順と払戻金を記録します。

このとき、レース結果を使って予想ログを書き換えてはいけません。

なぜなら、予想時点では知り得なかった情報が混入してしまうからです。

つまり、予想ログは過去の判断を保存するもの、結果ログはその判断を評価するものです。

両者を分けることで、検証結果の信頼性が高まります。

具体例|予想は当たったのに馬券を買わなかった場合

ここでは、架空の3レースを使って考えてみましょう。

項目仮想A仮想B仮想C
予想馬甲馬乙馬丙馬
券種単勝単勝単勝
購入の有無購入購入見送り
購入金額1,000円1,000円0円
結果1着着外1着
払戻金1,800円0円0円

※すべて説明用の架空レースです。実際の予想実績ではありません。仮想Aの払戻倍率は1.8倍としています。

この場合、3レースの予想のうち2レースが的中しています。

そのため、予想的中率は約66.7%です。

一方、実際に購入したのは2レースで、そのうち的中したのは1レースだけでした。

したがって、購入馬券の的中率は50%です。

さらに、購入総額は2,000円、払戻総額は1,800円なので、実際の回収率は90%になります。

架空の例の検証結果

予想的中率:66.7%

購入馬券の的中率:50%

実購入回収率:90%

実際の損益:マイナス200円

ここで注目したいのは、見送った仮想Cの扱いです。

仮想Cの予想は的中しています。しかし、馬券を購入していないため、実購入回収率には含めません。

反対に、購入しなかった予想が外れていても、その予想履歴を削除してはいけません。

予想精度の検証と実際の収支計算では、評価対象を明確に分ける必要があるのです。

なお、わずか3レースの結果に統計的な信頼性はありません。ここでは、あくまで計算方法の違いを示しています。

JRAの購入履歴だけでは予想精度を検証できない

「購入履歴ならJRAに残っているのでは?」と思う方もいるでしょう。

もちろん、そのとおりです。

JRAの投票照会サービスでは、過去60日間の投票内容を確認できます。さらに、パソコンサイトからはCSV形式でダウンロードすることも可能です。

また、本年度と前年度の月別成績なども確認できます。

詳しくはJRA公式・投票照会サービスを確認してください。

ただし、この購入履歴だけでは、予想していたものの購入を見送った馬や、購入前に考えていた勝率までは把握できません。

そのため、JRAの購入履歴と自分の予想ログを組み合わせる必要があります。

さらに、長期間の検証を考えるなら、照会期間内に必要なデータを保存しておくことも大切です。

予想成績を悪く見せないためではなく、良く見せないために記録する

私が競馬データの研究で特に注意したいのは、検証結果を無意識に良く見せてしまうことです。

例えば、次のような方法では正しい成績を把握できません。

  • 的中した予想だけを記録する。
  • 外れたレースを後から検証対象から外す。
  • 予想時点では分からなかった最終人気を使う。
  • 条件を変更したのに、以前と同じ手法として集計する。
  • 馬券を買っていないのに、購入したものとして回収率を計算する。

これらは意図的な不正でなくても、簡単に起こり得ます。

特に、競馬AIや予想ソフトの開発では注意が必要です。

AI予想ではモデルのバージョンも残す

例えば、予想AIのロジックを途中で変更した場合を考えましょう。

変更前と変更後では、同じレースでも異なる予想が出る可能性があります。

にもかかわらず、すべての予想を同じモデルの成績として合算すると、何を検証しているのか分からなくなります。

そのため、AIを使う場合は、モデル名やバージョン、実行日時、使用データの時点も記録しておきたいところです。

さらに、過去データで発見した条件を、まだ分析に使っていない期間で検証する必要があります。

この考え方については、競馬データの過剰最適化とOOS検証でも解説しています。

Excelやスプレッドシートで始める競馬予想の記録方法

では、実際に記録を始めるにはどうすればよいのでしょうか。

最初から高額な専用ソフトを用意する必要はありません。ExcelやGoogleスプレッドシートでも十分に始められます。

具体的には、次の手順がおすすめです。

  1. 記録する対象を決める。例えば、JRAの単勝予想だけなど、最初は対象を絞ります。
  2. 予想専用のシートを作る。予想日時、レース、馬、券種、予想理由を入力します。
  3. 購入履歴を別に記録する。購入した馬券と金額を保存し、見送った予想も区別します。
  4. 公式結果を照合する。レース確定後に、着順や実際の払戻金を入力します。
  5. 定期的に集計する。的中率、購入額、払戻額、回収率を確認します。

Excelで回収率を計算する方法

例えば、D列に購入金額、E列に払戻金額を入力したとしましょう。

2行目から101行目までの100件を集計する場合、回収率は次の式で計算できます。

=IFERROR(SUM(E2:E101)/SUM(D2:D101)*100,0)

この式なら、購入総額に対する払戻総額の割合を確認できます。

なお、結果はパーセント表示ではなく、100を掛けた数値として表示されます。そのため、回収率105%なら「105」と表示される設定です。

また、購入額が0円の場合は計算できないため、IFERRORでエラーを回避しています。

ただし、返還が発生した場合は、有効な購入金額と返還額を適切に処理する必要があります。単にすべての購入を同じ扱いにすると、成績がずれる可能性があります。

記録したデータは100レース単位だけで判断しない

ここまで記録方法を解説しましたが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。

それは、記録が増えたからといって、すぐに予想の優位性が証明されるわけではないという点です。

例えば、100レースの回収率が120%だったとしましょう。

数字だけを見れば優秀に感じます。しかし、たった1回の高配当が利益の大半を占めている可能性もあります。

一方で、回収率90%という結果でも、少ないサンプルによる一時的な下振れかもしれません。

したがって、私は次のような項目も合わせて確認したいと考えています。

  • サンプル数が十分にあるか。
  • 年度ごとに成績が極端に変わっていないか。
  • 少数の高配当に利益が集中していないか。
  • 条件を変更しても傾向が維持されるか。
  • 過去の最大連敗や資金減少幅はどれくらいか。
  • 未使用のデータでも成績が維持されるか。

つまり、単に記録するだけではなく、その数字がどれくらい信用できるのかまで考える必要があるのです。

サンプル数と回収率の関係については、競馬の回収率とサンプル数・再現性の考え方も参考にしてください。

競馬予想の記録に関するよくある質問

Q.競馬の収支だけを記録すれば十分ですか?

実際の損益を把握する目的なら、購入金額と払戻金額の記録が基本になります。

しかし、予想方法の精度まで分析したい場合は、それだけでは不十分です。レース前の予想内容と判断理由も保存する必要があります。

Q.買わなかった馬の予想も記録すべきですか?

予想精度を検証したいなら、事前に評価対象とした予想は、購入の有無に関係なく残すことをおすすめします。

一方で、単に思いついただけの馬まで無制限に記録する必要はありません。重要なのは、予想対象と的中判定の基準を事前に統一することです。

Q.競馬AIの予想履歴はどのように保存すればよいですか?

AIの場合は、予想を実行するたびに日時付きのファイルやデータベースへ保存する方法が考えられます。

さらに、過去の予想を上書きしない仕組みにしておくと、ロジック変更前後の比較も容易になります。

ただし、ファイルを保存しただけで改ざん不可能になるわけではありません。必要に応じて、変更履歴やハッシュ値による整合性確認も検討しましょう。

Q.何レース記録すれば予想の実力が分かりますか?

一律に何レースと決めることはできません。

なぜなら、予想対象、オッズ帯、的中率、払戻金のばらつきによって必要なサンプル数が変わるからです。

そのため、100レースや1,000レースという数字だけに頼らず、年度別成績や統計的な不確実性まで確認することが大切です。

まとめ|競馬予想は記録して初めて検証できる

今回は、競馬予想の記録方法について解説しました。

重要なポイントを整理しましょう。

  • 予想の的中率と実購入の回収率は分けて計算する。
  • 予想日時、レース、買い目、根拠、オッズ、購入内容、結果を残す。
  • 的中だけでなく、不的中や見送った予想も記録する。
  • レース前の予想を、結果が出た後に書き換えない。
  • 競馬AIではモデルのバージョンや実行日時も保存する。
  • 記録した成績はサンプル数と再現性を含めて評価する。

私は、競馬の予想力を高めるためには、感覚だけではなく、過去の判断を数字で振り返る仕組みが必要だと考えています。

もちろん、記録を残したからといって、すぐに回収率が改善するわけではありません。

しかし、記録がなければ、どこに問題があるのかを正確に調べることさえ難しくなります。

反対に、事前の予想と結果が残っていれば、失敗した理由や改善すべき条件を客観的に分析できます。

大切なのは、当たった予想を自慢することではなく、外れた予想からも学べる状態を作ること。

そして、偶然の的中と再現性のある予測を区別することです。

競馬を確率・価格・期待値の観点から研究するなら、まずは予想を記録するところから始めてみてはいかがでしょうか。

記憶ではなく、記録を見る。

それが、投資競馬研究所|ウマデシの大切にしたい姿勢です。

※本記事は競馬予想の記録・分析方法を解説するものです。掲載した成績例はすべて架空の数値であり、特定の予想方法の実績ではありません。馬券には損失リスクがあり、利益は保証されません。馬券の購入は20歳から。生活資金を使わず、無理のない範囲で楽しみましょう。

投資競馬研究所|ウマデシ

AUTHOR

ウマデシ|投資競馬研究所

30代半ば、3児の父。 高校3年生のときに夢破れ、その後は何をやってもうまくいかず、 「俺はもう働かない」と決意。

それでも生きていくにはお金が必要だったことから、 株やFXをはじめとする投資の世界へ。 さまざまな経験を重ねる中で、 感覚や勢いではなく、 価格・確率・期待値・資金管理といった 数字を基準に判断する考え方に行き着く。

現在は、その視点を競馬にも応用。 人気や印だけに頼らず、 オッズ、回収率、期待値、母数、市場心理などから 競馬を研究している。

「馬ではなく、数字を見る」をテーマに、 投資競馬研究所|ウマデシを運営。

記事になる前の考察や検証データ、 NISA・S&P500・FXと競馬をつないだ発信は、 Xでも更新している。

投資競馬研究所|ウマデシのXを見る →

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です